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ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)につき詳しく

ADMは、後天性真皮メラノサイトーシス(Acquired Dermal Melanocytosis)の略語です。名前がとても長く分かりにくいので略してADM(エーディーエム)と呼ばれています。

 

 

ADMの正体

ADMは太田母斑ではない!


老人性色素斑やそばかす、肝斑などのいわゆる「しみ」は、表皮(皮膚の浅い層)に色素が異常に沈着した状態です。通常、色素細胞は、表皮の一番深い部分(基底層)に存在します。
しかし、ADMの場合は、表皮ではなく、より深層の真皮に色素細胞が見られます。この理由は明らかになっていません。似たような状況は、太田母斑などのいわゆる「あざ」で見られます。
そのため、ADMは「あざ」の扱いを受けていることが多いです。実際に、ADMは太田母斑(青あざ)と同一視されていたという過去があります。

 

現在でも「遅発性太田母斑」と呼ばれる場合があります。しかし、太田母斑は片側性に三叉神経第1・2枝支配領域に発生するという大前提があります。
発生部位や発生年齢、特徴など、臨床的には一致するものがほとんどなく、ADMと太田母斑は全く違う病態であることは明らかです。

 

 

 

このように、ADMの正体については未だ不明な点が多いのが現状です。

 

 

 

ADMの特徴的な色調

独特の青味を帯びた褐色

通常「しみ」は褐色(茶色)に見えます。
これに対して、ADMは、なんとなく青味を帯びた褐色をしていることがほとんどです。

 

メラニン色素は存在している皮膚の深さにより、見える色が変わります。浅いほど褐色(茶色)に、深いほど青色に見えるからです。ADMは深い層(真皮)にメラニンが存在しているので青味がかって見えるのです。
この特徴はファンデーションを塗ったときに特に強調されるように思います。

 

「素肌だと褐色のしみに見えるが、お化粧すると紫っぽく見える」場合、ADMの可能性が高いと言えます。

 

 

 

肝斑とよく間違われるADM

肝斑とは見た目が全く異なります

 

好発部位が似ていることから、よく肝斑と間違われている例を目にします。

 

何年もトラネキサム酸製剤を内服していたり、延々とフォトなどの光治療や肝斑治療をされています。

 

肝斑の治療は、ADMにとっては全くの無効ですので、診断がとても大切です。

 

確かに、好発部位は似ていますが、発症年齢も違いますし、何より見た目(形・色調)が全く異なります。
慣れていれば、ADMを見分けるのは容易です。

 

ADMは肝斑と合併している例も多いですが、このような場合でも注意深い観察と丁寧な問診で診断は難しくないことがほとんどです。

 

 

 

意外と盲点な目の下のクマに見えるADM

ADMは目の下のクマの原因のひとつ

 

ADMの一番の好発部位は、イラストのように両側頬の外側上部です。ただし、意外と多いのが、目の下です。

 

この部分は、眼窩縁にあたり、凹んでいるだけでなく、通常でも若干色素沈着を起こしている場合が多く、くすんで見えます。

 

ここにADMが好発します。ADMが好発すると、目の下のクマが、よりくすんで見えます。

 

この部分に関しても、ADMの診療に慣れていれば診断は難しくありません。

 

ADMの場合、Qスイッチレーザー以外の治療が、すべて無効になりますので、診断がとても大切なのです。

 

 

 

ADMの治療について

【こんなことなら早く治療しとけばよかった!】

 

ADMの治療が完了したとき、たいていの患者様が同じことを口にされます。
それくらい、ADMの治療満足度は、他の色素性疾患に比べても、とても高いといえます。

 

なぜなら、治療の確実性が極めて高く、再発もないからです。つまり、一度取れたら取れたっきり、もう一生ADMに悩まされる可能性はゼロに近いのです。

 

ADMに有効な治療法はQスイッチレーザーのみ
ADMに有効なレーザーはQスイッチレーザーです。
皮膚の深い部分(真皮)に存在するメラニンを確実に破壊できるレーザーは、Qスイッチレーザーだからです。

 

フォトなどの光治療や他のマイルドなレーザー治療は、ADMそのものには通常無効です。

 

当院では、Qスイッチレーザーの中でも、メラニン色素に対して最も選択性の高いQスイッチルビーレーザーを使用して治療を行います。

 

 

 

ADMをきれいに治すのは意外と難しい

ADM治療はきれいに治らなければ意味がない

 

QスイッチルビーレーザーはADMに著効しますが、ただ照射すれば、きれいになるというものではありません。そこには、ADMならではの治療の難しさがあるのです。

 

・最適な照射パワー調整が老人性色素斑などの治療より難しい

 

・密集したADMを最小限のダメージでいかに正確に照射することの難しさ

 

・治療後起こる色素沈着(戻りシミ)の管理と治療間隔

 

・肝斑の合併においての肝斑の管理 など

 

これらを克服できないと、瘢痕化(傷痕)・まだら抜け(白斑化)・巨大な色素沈着の塊などの合併症を引き起こします。

 

どれも、ADM自体が問題ではなく、照射方法・照射出力・治療間隔などの知識や配慮が足りないことが原因で起こってくることが多いです。

 

当院での治療法については、診察時に詳しくお話しいたします。

 

 

 

ADMと肝斑との合併例は?

肝斑が合併していても、ADMは治療可能です。

 

ただし、肝斑が合併していない場合と比べると、治療期間中の色素沈着(戻りシミ)の程度が強くなることやアフターケア期間が多少長引くことなどが考えられます。

 

また、ADMが肝斑と合併している場合は、より注意深く正確なレーザー照射技術や慎重な治療前後の管理が必要になります。

 

 

 

ADMにフォトセラピー(光治療)は有効か?

ADMそのものには無効だと考えられます

 

ただし、状態によっては、ADMのQスイッチレーザー治療の前のフォトセラピーが有効な場合があります。

 

それは、くすみが強い場合や老人性色素斑や肝斑などの表皮性の色素性病変がある場合です。

 

Qスイッチルビーレーザーはメラニン色素に反応します。表皮にたくさんのメラニン色素があれば、レーザーはそこで反応してしまい、真皮にある肝心のADMに反応しにくくなってしまいます。

 

Qスイッチルビーレーザーを照射する時点では、表皮がクリアであることが理想の条件です。
そのために、フォトセラピーを使用することは有意義なのです。

 

 

 

治療期間はどれくらいかかるか?

きれいに治すには、治療間隔が特に重要

 

6か月×3=18ヵ月つまり1年半くらいでしょうか。

 

もちろん1年半もの間ずっと治療しているわけではありません。
治療回数は3回、治療間隔が6か月なので最低でも1年半になってしまうのです。

 

当院の方針は、短い期間より最終的な仕上がりです。

 

ADMの治療はいわば「一生もの」。うまくきれいに治れば、一生ADMに悩まされることはありません。
しかし、前述したような合併症も「一生もの」になり得るのです。長い人生のことを考えれば、目先の数か月くらいは耐えるのが賢明です。

 

当院で重視するのは、治療後色素沈着治療間隔です。

 

治療間隔はたっぷり6か月ほど取ります。

 

なぜか?
合併症を避けるためと、治療をなるべく少ない回数で終わらせるためです。

 

Qスイッチルビーレーザーの治療は、治療後にダウンタイムのある治療です。患者様にとっては、いろいろな意味で負担になります。だから少ない方がよいのです。

 

治療回数を少なくするために、治療期間を空けるのです。

 

Qスイッチルビーレーザーの治療後には、表皮に色素沈着が起きます。この色素沈着が残っている間に次のQスイッチルビーレーザーを照射しても、表皮に残っている色素沈着に反応してしまい、肝心のADMまで届きません。

 

これでは、治療の意味がありませんし、色素沈着に照射することでまた新たな色素沈着を生み…とやっているうちにダメージが強くなりすぎて合併症が起きてしまうのです。

 

一般的に、Qスイッチレーザー後の色素沈着は3か月と言われていますが、実際にはもう少し長いことが多いです。

 

しみやアザの治療は、「いかに少ないダメージで効率よく色素を破壊するか」が勝負どころです。

 

最小限の回数(ダメージ)で確実に治療を終わらせるために、治療間隔を6か月以上取るのです。「急がば回れ」とはよく言ったものです。

 

 

 

健康保険で治療できるのか?

当院ではADMに対してのQスイッチルビーレーザーは他のしみ治療同様、自費診療とさせていただいております。

 

その理由は以下の通りです。

 

・太田母斑のQスイッチルビーレーザー治療は保険適応があります。
ADMは太田母斑とは全く異なる独立疾患であり、厳密には保険適応がありません(厚生局確認済)
ADMの病名でも状況により保険治療が認められる場合もあるそうですが、ADMは原則は自費診療なのです。
当院では、ADMに太田母斑などの病名をつけて保険請求を行うことは一切いたしません。

 

・保険診療は、アフターケアに使用できる内服薬や外用薬の種類などに制限があります(お薬だけ自費診療で処方することはできません:混合診療の禁止)。

 

前述したようにADMの治療では治療後色素沈着の管理がとても大切です。
確実にきれいに治すためには、このような制限が障害になる可能性があります。

 

ADMの治療はいわば「一生もの」ですので妥協することなくやりたいものです

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(予約は17:00まで)

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