銀座 皮膚科 美容皮膚科 形成外科 しみ しわ たるみ

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肝斑につき詳しく

肝斑の正体について


肝斑に関しては、さまざまなメディアで解説されていますが、実際のところは、原因や正体については、いまだ明らかにされていないのが現状です。

 

長年臨床の現場でたくさんの肝斑を診てきました。その観察の結果より導いた、肝斑の正体は「体質」です。

 

あまりにシンプル過ぎかつ無責任なように聞こえますが、これが正直なところなのです。

 

 

【どのような体質か?】

 

部分的な色素細胞(メラノサイト)の体質的異常といえます。

 

何らかの原因により、色素細胞がさまざまな刺激に対して、通常より敏感に反応し過剰にメラニン色素を過剰産生します。

 

この刺激には、内的要因(特に女性ホルモンなど)や外的要因(紫外線・摩擦・炎症など)があります。

 

体質なので、明らかな原因というものはなく、自然と発生し、また自然となくなることもあるのです。

 

ですから肝斑は「何が悪い」というものではなく、ある程度は「仕方ないもの」なのです。うまく付き合っていく必要があるのです。

 

以上はあくまでイメージです。科学的に証明されたものではありません。(そもそも肝斑については、有名な内服薬トラネキサム酸についてさえ有効性は確実ですが、作用機序が科学的には完全に証明されていません)

 

 

【潜んでいる肝斑:すべてのレーザー治療などのリスク】

 

肝斑は老人性色素斑などとは、全く違う特殊なしみです。

 

その特殊性のひとつが、色の変動です。老人性色素斑などのしみは、色の変動がほとんどありません。つまり、毎日どんなときもだいたい同じ色、同じ雰囲気で存在しています(普通はそうです)。長期的に見れば、色が徐々に濃くなっても、薄くなることはまずありません。

 

肝斑は違います。人によっては日単位の色や大きさの変動があります。
つまり、濃い日、薄い日があるということです。状況によっては、明確な肝斑と認識できないほど薄くなるときもあります。

 

この変動に主に関わっているのが、ホルモンだと考えられています。薄くて見えなくなっても肝斑は完治したわけではありません。いわば「潜んでいる」状態なのです。

 

しみのレーザー治療において、特に注意が必要なのがこの「潜んでいる」肝斑なのです。
今認識できないからといって、肝斑がいないとは限らないのです。しかも、強い刺激で濃く出てくるという性質があります。

 

肝斑の存在を認識していれば、刺激しないよう注意して治療を行うのですが、見えていなければどうしようもないことがあるのです。

 

「見えていなくても存在しているかもしれなくて、刺激すれば濃く出てくる」というのが肝斑の厄介なところなのです。

 

これで痛い目にあったことのある医師は相当多いはずです。
今でも肝斑を見れば積極的な治療を敬遠する医師が多いのはそのせいです。

 

「私、肝斑ありますか?」日常診療の中で、患者様がよくされる質問です。濃く出ている状態の典型的な肝斑であれば、誰が見ても分かります。

 

しかし、全く肝斑として認識できるような色素斑がない場合でも完全にないとは言えないのが難しいところです。

 

 

 

肝斑は本当に治療で完治するのか?

前項で肝斑は「体質」だと述べました。

体質である以上、自然と完治することはあっても、人為的に(治療によって)完治(=体質を変える)させることは難しいのです。

【では、肝斑の治療とはいったい何?】

 

肝斑は治すものではなく管理するもの
現状の色素沈着状態をできるだけ改善し、よい状態を維持すること

 

つまり「対処療法」です。
今実際に蓄積している色素をなるべく薄くして、見た目を改善させることが目標です。

 

根本的な原因は色素細胞の異常であり、これ自体を根本的に改善しているわけではないので、一時的には改善されても、再発する可能性はあります。

 

ただし、実際には現状の見た目の改善と共に、診察時に行う日常生活指導や内服治療で、かなり良好な状態をキープすることが可能です。

 

ですから根本的な治療ではなくても、治療する価値は十分あるのです。

 

 

【具体的な治療は?:色素を薄くするには】

 

考え方はいたってシンプルです

皮膚の色素は、色素細胞から供給される色素の量(IN)と皮膚が色素を排出する量(OUT)の収支で決まります。INが多いほど、OUTが少ないほど色素は多くなり(濃い状態)、逆では少なく(薄い状態)なります。

 

したがって、治療に必要なのは、INを少なくし、OUTを多くすることです。INを少なくするのは基本的にお薬の仕事です。代表格がトラネキサム酸の内服です。

 

はっきりした機序は不明ですが、トラネキサム酸は、特に肝斑の部位での色素細胞のメラニン色素産生を抑制することが分かっています。他に、ハイドロキノンやルミキシルなどの外用薬も有効だと考えます。

 

OUTを多くすることは、肌の代謝(ターンオーバー)を促進し早めることです。これは、トレチノインなどの外用薬も有効ですが、レーザー治療やフォトシルクプラスなどの光治療の方が早く分かりやすい効果を期待できます。また、状況によってはケミカルピーリングなども効果的です。

 

しかし、これらの治療もやり方によっては、強い炎症を起こし、肝斑を濃くしてしまう可能性があるため、特別な注意が必要です。

 

肝斑に強い刺激を与えないようにしつつ、代謝を促進するには、肝斑に精通し、絶妙な作用調整ができることが条件です。

 

 

【肝斑にレーザー治療は禁忌なのでは?】

 

すべてのレーザー治療が禁忌ではありません

 

レーザー治療といっても、さまざまです。
一般的に、肝斑に禁忌とされているレーザー治療は、「しみ取りレーザー」としてのQスイッチレーザーを指します(当院だとQスイッチルビーレーザー)。

 

これらのレーザーの特徴は、メラニン色素に強く反応し破壊・分解し、しみを除去することです。この作用は肌に強い炎症を起こします。

 

また、しみ取りレーザー以外でも、治療により強い炎症を起こすレーザーは同様に禁忌といえます。炎症が肝斑の部位にある色素細胞を強く刺激し、濃い色素沈着を起こす現象がその根拠となっています。

 

さらに問題なのは白斑化(白抜け)です。これらのレーザーのエネルギーが色素細胞に強くダメージを与えることにより、白斑化が起こるのではないかと考えています。

 

したがって、当院ではこのような種類のレーザーを、肝斑治療において、肝斑の色素そのものを破壊・分解するために使用することはありません。

 

肝斑治療において使用するレーザーや光治療に期待するものは、あくまで肌の代謝を促進することです。
「肌に炎症を起こさない程度に、慎重に出力や反応を調整しつつ、効果を出す」この見極めに相当な経験が必要で難しいのです。

 

当院では、炎症を起こしにくく肝斑にも比較的安全なロングパルスヤグレーザー(波長1064nm)とフォトシルクプラスを使用しています。

 

ただし、肝斑に安全とされているレーザーであっても使い方によっては、肌に炎症を起こし得るため十分な注意が必要です。

 

絶対禁忌とされる種類のレーザー機器を用いての治療は論外ですが、大切なのはどの種類の機器を使うかではなく、どのように使用するかです。

 

 

【肝斑専用レーザー(レーザートーニング)に関しての私見】

 

Qスイッチヤグレーザー(波長1064nm)を低出力で照射し、肝斑のメラニン色素を徐々に破壊するというのが理論であり、実際にある程度の使用経験もあります。

 

Qスイッチヤグレーザー自体は特に新しいテクニックではなく、昔から刺青除去用レーザーとして用いられてきたものです。

 

安全性や効果の点で既存の機器に比べての特別なメリットを感じるまでには至りませんでしたので、当院では導入していません。

 

Qスイッチヤグレーザーに関しては、吸収特性がしみ治療に対してはベストだとは思えず、刺青除去以外に特に必要性を感じたことはありません。

 

レーザートーニングについては、賛否両論があります(ネットなどで調べれば情報はすぐに出てきます)。

 

個人的な意見としては、学会誌などで書かれているような、白斑化やQスイッチヤグレーザーに特異的な肝斑の悪化などの特別な危険性があるとは思えません(もちろん機器を適切に扱う条件ですが)。

 

ただ、この方法(機器)でしか成し得ないような特別な効果があるとも思えないというのが正直なところです。

 

それは、作用機序の理論が、ごく一般的で画期的なものではないと感じること、また実際に使用した印象も特別なものを感じなかったからです。

 

ここでは、これ以上詳しいことは書きません。ご了承ください。

 

 

【完治させる方法はないのか】

 

前述したように、肝斑は体質的なものであるため、自然と完治することはあっても、人為的に(治療で)完治させるのは現実的には難しいと考えています。

 

唯一考えられる完治するかもしれない方法、それはQスイッチレーザーなどの強いしみ取りレーザーを、肝斑に対して繰り返し照射するというものです。

 

恐らく異常なメラノサイトは強く破壊され、肝斑は完治?しますが、同時に通常の肌の色も失われ、肌は部分的い白くなってしまうでしょう(白斑化)。

 

これでは、肝斑が完治してもあまり意味があるとは思えませんので、当院では、このような治療は行いません。

 

>>肝斑治療について

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